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ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018―07

今朝の日経新聞で元本確保型投資信託の「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018―07」が取り上げられました。

元本確保型という珍しい言葉が使われています。

いわゆる預金のような元本保証ではなく「確保」というニュアンスの違いに注意が必要です。

この投信は端的に表すと、ゴールドマンサックスが発行する特殊な社債に投資する事で元本割れを避けながらもリターンを目指す、というものです。

ただ、かなり癖がありそうです。

▪️特徴

ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018―07の特徴は以下の通りです。

 

・ゴールドマンサックスが発行する社債に投資する

社債は国内外の株式・債券の運用成績に連動する特殊な債券(要するに仕組債?)

・運用成績が好調なら分配金が増える

・信託報酬0.29%は債券の固定金利0.3%で相殺

・運用収益の約10%は成功報酬として差し引く

・円建て

・運用期間は10年

・運用が不調なら債券の評価額は低下する

・10年間の運用期間中に投信を解約すると損失を被る可能性もある

・満期まで待てば元本が目減りせずに戻る

 

要は、ゴールドマンサックスが金利0.3%で借り入れ、株式や債券で運用して得た利益の一部を債権者に還元する仕組みと考えられます。

ゴールドマンサックスが債券を踏み倒さない限りは最終的に債券の償還をもって元本が返ってくるため「元本確保型」と表現されるようです。

特徴に記載の通り、10年の運用期間中に投信を解約すると元本割れの可能性がある点にも注意が必要です。

なお、恐らくですが、円建て債券であり、為替リスクを負わないための為替ヘッジコスト(ドル円短期金利差)は不要と考えられます。(実際にはGSが為替リスクを抱え込み、運用成績に反映される?)

▪️取り組みとしては面白い

単純に国債社債を購入しても0.1%や0.2%程度の利回りですが、この投信ならゴールドマンサックスの運用成績次第でより高いリターンが得られる可能性があります。

かつ、社債ですので無事に償還が行われれば元本割れはしません。

運用による超過リターンの一部を受け取りながらも債券という性質も持たせた面白い取り組みです。

 

ただし、運用期間中に解約した場合、元本割れの可能性があり、10年は資金が拘束される可能性がある点には要注意です。

 

投資未経験の方にオススメする商品としては

・商品設計が複雑

・10年は長い

という理由から微妙だと感じます。

 

この投信の販売は大和証券と記載がありましたが、大和証券では顧客に投信のスキームをしっかりと説明可能なのか疑問です。

もちろん、投資未経験の方が投資に踏み出さない理由として、アンケート調査などを行えば元本割れリスクが怖いという結果が出るとは思います。

その意味で元本割れリスクを極力排しながらも運用成績次第では超過リターンの一部も手に入るというコンセプトは、マーケティング視点ではとても合理的な商品設計です。

ただ、フィデューシャリーデューティー(FD)が重視され始めた中、果たして投資未経験層に販売する投資信託として適当なのか?という素朴な疑問が残ります。

 

個人的にも、この投信を購入する事はありません。

ゴールドマンサックスの社債だけに投資するのは分散投資の観点から危険ですし、株式や債券の運用成績からの超過リターンを期待するなら株式に直接投資しつつ、債券は複数の債券が組み入れられた投資信託ETFなどを組み合わせます。